2017年は、AI元年とも言われ、ECサイトや生活家電などあちこちでAIを使ったサービスが始まりました。
2018年は、ついにAIを導入した結婚相談所のサービスが登場しました。

AIを導入すると発表したのは、大手結婚相談所の「パートナーエージェント」と「IBJメンバーズ」の2社です。

それぞれの会社のAI活用方法について、期待を込めて考察してみましょう。

目次

パートナーエージェントはマッチングに導入

パートナーエージェント(以下PA)は、全国に30店舗を展開し、成婚率業界トップを誇る結婚相談所です。
ブラックジャックとドロンジョ様を起用した、CMはネットでも話題になりましたね。

そのPAがAIを導入するのは、KIBIT(キビット)という人工知能です。
KIBITができることは以下の通りです。

  1. 会員の紹介文やプロフィール欄のテキスト情報を読み込んで分析する。
  2. これまでの成婚データを参照して、会員のお相手候補をリストアップ。

人間のコンシェルジュが、KIBITの作ったリストを参考に、希望条件にあった人を紹介するシステムです。

スマート婚活とAIの相性は◎

もともと、PAはスマート婚活といって、データ分析を得意にしている結婚相談所です。
これまでも、婚活EQ診断や、婚活アビリティ診断といった方法で会員の現状をデータ分析してきました。

さらに、成婚までのプロセスをPDCAサイクルにおとしこみ、チームプレイでサポートするといった風に、まるでビジネスプロジェクトのように婚活を進めるのが特徴的です。

これまでPAはコンピュータマッチングを導入していませんでした。
コーチングスキルに長けたコンシェルジュのカウンセリングと、データ分析結果にそってお相手を紹介していたのです。

このシステムにAIの思考力を加えるのは、非常にプラスになるでしょう。
コンシェルジュは、会員の希望条件や現状に沿って紹介相手を選び、人工知能はこれまでの成婚データを参考に相手を選ぶので、紹介の幅は広がりそうです。

コンシェルジュの気づかなかったようなマッチングをKIBITがしてくれるかもしれません。
人間とAIの得意なところを組み合わせた、ハイブリッドな婚活ができそうですね。

IBJはロボット型AIを導入

一方、東証一部上場企業のIBJは、ロボット型AI「Sota(ソータ)」を導入すると発表しました。
Sotaは、IBJが運営する婚活パーティ「PARTY☆PARTY」の会場で、受付や案内をつとめるマスコットとして活用される予定です。

Sotaの見た目は、Pepperより小さく丸みを帯びて可愛らしい雰囲気です。
デスクトップ型ということなので、机の上にちょこんと置かれるんでしょうか。
参加者の緊張をほぐし、会話のきっかけを作ってくれそうですね。

どのタイプのパーティに導入されるのか注目

IBJの開催する婚活パーティには、たくさんの種類があります。
Sotaがどのタイプのパーティで活用されるのか気になるところです。

1対1で話す時間が必ずある個室パーティだと、会話が続かないときの救世主になってくれそうですが、フリートーク形式の大人数パーティだと、どうでしょう。
目先の物珍しさではウケるかもしれませんが、効果があるのかはちょっと疑問です。

ロボットを見て「可愛い~!」と言っているうちに、中身のある会話が少なくなったりしないんでしょうか。
私が参加者なら、そんな飛び道具を使わない、誠実な進行をしてくれるパーティの方がいいです。

ロボットと人間ならどっちがいい?

IBJがイメージしているSotaの導入イメージは次の通りです。

  • 顔認証による受付~お席へご案内
  • パーティーの流れを説明
  • 席替えのご案内
  • 待ち時間中のお客様との会話
  • 複数人パーティーでの賑やかし

これ、けっこう参加者は気を遣いませんか?

最近はヒト型ロボットPepperを店舗で見かけることも増えましたよね。
でも、何かわからないことがあったとき、人間とPepper両方いたら、人間の方に聞きたくなると思うんです。
ロボットは、「聞き取りやすい話し方をしなくちゃ」とか「うっかりぶつかって倒しちゃったらどうしよう」なんて気を遣うからです。

例えば、SONYは2018年にAIを搭載したロボット犬aiboを発売しました。
前シリーズAIBOから12年ぶりのリニューアルです。
これは私の実体験ですが、店頭でaiboの可愛らしい見た目に思わず抱っこしてナデナデしようとしたら、フリーズしてしまいお店の人に注意されたことがあります。 

扱い方に制約が多いロボットは、まだまだ本物の人間や犬ほど、融通がきく存在ではないのです。

パーティのMCに関しては、経験を積んだプロの人間のほうがアドリブも利いて頼もしいんじゃないかなと思いますが、確実に人材を確保するのも難しいのかもしれませんね。

これからもAIを導入するサービスは増える

これまでも、マッチングアプリなどで、AIを導入しているサービスはありました。
しかし、会員数もそれほど多くないマイナー系サービスだったため、AIの精度には疑問が残ります。

今回、PAやIBJのような大手婚活サービスが、本格的にAI導入を発表したことで、今後もそれに続く婚活サービスが出てくることが予想されます。
マッチングシステムと、パーティのマスコットという全く違う方向性でAIを導入した2社が、どんな結果を出すか引き続き注目していきます。

PAもIBJも、婚活サービスでは、常に上位にランクインする人気の会社です。
まだ体験したことがない人は、一度公式サイトをチェックしてみてください。

AI元年は、あなたの結婚元年になるかもしれません。